日刊かずやん 第二話 〜Beatlesてフツーにすごくない?Twitter=世論という詭弁

ズコー


いや、私はズコーとは思っていないのだが。

今回のAppleの発表は「正直微妙」という意見がネットの多数のようだ。

でも本当に微妙なのだろうか?

新しいクラウドサーバーの登場?

mobileMeの無料化?

新しいiPadの発表?

たしかにAppleはいつも自分たちの斜め上を提供し続けてくれている(ような気がする)
しかし、最近は生産が中国で行われていることもあり情報統制がかなり困難な模様。
前回のiPhone4の時もほとんどひと月前の段階で全部わかってしまっているような有様。
それでもTwitter上などでは「なにか違うものが出てくるのではないか?」という期待が膨らむ。しかしこれだけマーケットが大きくなっている現在、大規模な生産ラインを情報流出を理由に修正するのはほぼ不可能であるし、Appleほどの企業ならなおさらだ。

私たちはいつのまにかそれこそジョブズを神扱いしてしまっていないではないだろうか?

彼は魔法までは使えない。


「前振りがなければなぁ」

という意見もある。

確かに何もリークがなければ、Beatlesの配信開始はかなり大きなニュースであろう。
どこかのレーベルと契約を結んだり、配信決定したり、とそのプロセスだけ考えてもかなりのハードルだと思うが相手がBeatlesとなれば尚更。

これは大ニュースといっていいだろう。

くらちゃんが早速こんな記事を書いている。


クラチラ日記2010/11/17版 Singer Song iPhone

AppleとThe Beatlesの関係については以前からニュースとしては知っていました。 またThe Beatlesは音楽配信に参加していない状況も知ってます。 だからこそ今回のiTunesによるThe Beatlesの配信は画期的なのですね。 ネットによる配信が今後の音楽流通の主流になるというAppleの主張なのだと僕は思いました。 Appleは先のMacbookAirにおいてもイントールツールをDVDではなくUSBメモリーに変更しました。 これはAppleによるCD、DVDとの決別の意志だと言われました。 そのちょっと前iTunesのアイコンも変更されましたね。 つまりAppleは「CDよさらば」というメッセージを出しいていたのですね。 そうなのかもしれませんし、意外とCDは残っていくのかもしれません。 僕にはそれはわかりません。 でももしかしたら「忘れられない日」というのは、CDの終わりを告げる最初の一日という意味だったのかもしれませんね。 — 今回の発表はThe Beatlesで終わりました。 僕たちは「OneMoreThing」に慣れすぎてしまったのかもしれませんね。
僕もかなり同意です。


Appleにとって忘れられない一日というマスターべションだ、という批判も一部にはあるかもしれないが、私たちが忘れてはいけないことは、彼らのマーケットはいつも何かにつけてApple製品を必ず購入したり、何かにつけてApple製品に文句を言ったりするような信者ばかりが相手ではないということである。iPhoneってどうなの?Macってどうなの?音楽と言えばsonyでしょ?などと言っている人の数はまだまだ多いのは事実である。

そんなターゲットに対して、

「私たちはあの世界的なバンド、Beatlesの配信をしていますよ!」

というプレゼンが出来るのはメッセージ力があるとは思わないだろうか?
それこそ本当の意味でAppleが脱CDをしようとしていることの現れであり、そういったマスに対して、来るクラウド時代への参加を促しているような、そんな気がしてならない。


危ういバランス


今回のことに限ったことではないが、Twitterやいつも自分がRSSに登録して購読しているようなサイトが伝えている情報を私たちは知らず知らずのうちに「世界の意見」のように錯覚してしまいがちである。これはTwitterが普及したことで世界と繋がっているような感覚になってしまうことからきているような気がする。今までは狭いコミュニティの限られた人間関係の中で、いわゆる噂のように話していた内容が、世界規模になった、とそれだけであるにも関わらず、自分のフォロワー内での会話をあたかもマジョリティオピニオンのように脳内変換してしまう。Twitterは多様性が魅力ではる筈なのだがいつのまにか自分にとって居心地の悪いノイズをすべて排除した、自分好みの情報のみが入ってくるようなツールになってしまっている。これは良いとか悪いではなく、そういった側面もあるということを忘れないようにしたい。

これは自分への戒めでもある。







ちゃお。