史上最高のバケーションへようこそ
ヨーロッパでの生活が一応終わりを迎えて、その最後の地としてどこを選ぼうか、そうなった時に、スペインが候補に上がった。しかしたまたまヨークでの最後の週に友人と話している時に、彼の祖国、ギリシャの話になった。そうだ、ギリシャに行こう。そんな思いつきで今回の旅行は始まった。
直前に思い立ったため、空港券は格安航空のeasyjetを使っても、行きが150ユーロ、帰りが60ユーロと割高だ。しかし国内の新幹線で大阪と往復することを考えたらひじょうに安い。というか比べ物にならないくらいだ。
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旅立ちはロンドンから
ギリシャの旅のスタートは一日前から始まる。荷物をロンドンに住む友人の家に預ける手はずになっていたのだが、訳あって夜遅くになってしまった。さらにはその友人宅に泊まることができなくなってしまった。しかしその友人が同僚に聞いてくれ、なんと夜中の申し出にも関わらず快諾してくれた。中国人二人のフラットの、リビングのソファで寝ることになった。毎回思うのだが、イギリスのインテリアというか、家の作りは個人的にはかなり好きである。というのも、間接照明がうまくデザインされていたり、スペースのゆとり、色合い、キッチンなど、センスがいいと思うからだ。日本人との居住空間に対する認識の違いを感じずにはいられない。相変わらず人の家ではあまり寝付けない体質からか、朝も六時前に目が覚める。メールやTODOのチェックが終わったあとはぼーっと家主たちの目覚めを待った。彼らは某外資系金融機関の新入社員。研修でイギリスに二ヶ月来ている。香港人であると聞いたが、彼らの英語があまりにも流暢なので、自分のダメさを改めて感じる。世の中的に言う、「デキル奴」オーラを彼は醸し出していた。非常にフランクでいいやつだ。聞いてみると彼はカナダ生まれのカナダ育ち。通りでナチュラルな米語を話す訳だ。しかも30日に同じフライトで日本に帰るらしい。偶然とは本当に恐ろしいほど起こるものだ。
朝は三人でストロベリーシリアルをかきこみ、彼らは職場へ、私は空港へと向かった。ちなみに彼らの家があるのはロンドンのやや東。運河沿いの街である。Canary Wharf駅から一駅のSouth Quayのマンション。そこからDLR(Docklands Light Railwayの略)という電車で数駅行くと、バンクという駅があるのだが、そこは文字通り欧州金融機関の心臓である。
写真上のAがカナリーワーフという場所。 |
そこを中心としてモルガンスタンレーやシティ、バークレー、ゴールドマンなどのオフィスが多い。この辺りには初めて訪れたのだが、ハイソなビジネス街な雰囲気がプンプンする。こういう建物を作らせるとイギリス人は本当にいい仕事すると思う。
London Bridgeで乗り換えてGatwick空港へ向かう。ガトウィックはロンドンでヒースローに次いで二番目に大きい空港である。ルートン空港なんかに比べると使いやすい。
Gatwick Airport | Parking, Hotels, Flight Information & Duty Free
オンラインチェックインを済ませていたのでスムーズに入ることができた。小腹が空いたので、スープとサンドイッチを買って、店内のソファに座りながらゲートが開くのを待った。
フライトは12:40。しかしそこはやはり格安航空会社のeasyjet。見事に30分の遅延をキメてきた。
相変わらず。 |
飛行機の中では大半ウトウトしていたのだが、ユーロもポンドも硬貨を持っていなかった上に、カード決済は5ポンド以上ということで、渋っているうちに到着してしまった。
ギリシャと日本との時差は7時間。天気は晴れ。気温は思っていたより涼しかった。ロンドンは今ホント寒い。短パンはしんどい。電車に乗り友達の待つ中心街へ。空港からのチケットは一律6ユーロ。学割はギリシャ人なら25歳以下、そうでない場合は22歳以下。無念。地下鉄は一番から三番まであり非常にわかりやすい。はずだったが見事に方向を間違えた。
間違えてアクロポリス駅まで。 |
友人が待つのは中心街から数駅のAno Palissiaという場所。友達と無事合流し、駅から数分の彼の家へと向かう。大学院を終えたばかりの彼は今は家族と住んでいる。家はマンションだったのだが、とにかく内装が素敵だった。白を基調としてて家具や小物もとても年代を感じさせるような渋いものばかりだ。
ステキすぎ。 |
タイプライターや蓄音機なども置いてあった。何より、バルコニーが素晴らしかった。
仲良く団欒の時を過ごしていた |
ギリシャではマンションであっても、ルーフ付きの広めのバルコニーが多い。私が到着した時も、ご両親はバルコニーで晩酌していた。間接照明が温かい部屋で落ち着いた時間が流れる。
これは友人の趣味。 |
友人と遅めの夕飯をとる。この日はチキンを煮込んだものをライスにかけて食べるもの(名前はわからない)とサラダ、チーズ、オリーブなどを頂いた。この画面右側のサラダがグリークサラダである。初めてのギリシャ料理はぬくもりのある手作りであった。
お好みで粉チーズをかけて。 |
デザートは手作りのプリン。
これも手作り! |
これがまた絶品だった。食後はまったりと友人と話していたが、しばらくしてから散歩に行くことになった。外は少し涼しいものの、半袖で十分だ。アテネのど真ん中であればアジアンも多いのだが、少し北であったこともあり、周囲からの視線が痛かった。少し歩くと通り沿いに多くのバー、レストラン、クラブが建ち並ぶ。
ギリシャ人の運転は言わずもがな荒い |
面白かったのが、これらのお店がかなりオープンであった、ということである。ウェルカム、という意味ではない。文字通り外に開け放たれているのだ。エレクトロニカの四つ打ちが夜の街にこだまする。一応の法律はあるらしいのだが、基本は無視らしい。
また通り沿いにはたくさんの小さなキオスクのようなものがある。これはPeripteroと呼ばれ、24時間やっているところも多い。アルコールも24時間買うことができるので非常に便利だ。もちろん、南国に間違いないので、たくさんの街路樹が植えられているのだが、有名なオリーブの木よりも多く植えられているのはなんと松、であった。松ぼっくりを英語で説明するのはいささか骨の折れる仕事であったが、ギリシャと松の組み合わせは予想外であった。この辺りの雰囲気は南国的であり、どことなく日本のリゾート地と同じ匂いを感じるところもあった。街に出ているのは若者ばかり。
ギリシャ最大の公園を見たあと家に戻った。時間は既に夜中の一時をまわっている。次の日の起床は4:45。やれやれ、また睡眠不足かと思いながら横になったが、眠りに落ちるまではさほど時間はかからなかった。