どこへ向かうのか
※最後に追記アリ
自炊業者からの返答があった模様。
こういうニュースが最近あった訳だが。
もとまかさんの記事が読んでいて興味深かったので自分もそれについて色々考えてみようと思う。
ユーザーが望む形の電子書籍と出版社がすべきこと もとまか日記Z
出版社と作家がこぞってスキャン代行業者を潰しにかかっているのは明らかだが、それだけで終わってしまう場合、それは読者の「電子化してでもコンテンツを楽しみたい」という欲求をも潰すこととイコールな気がする。もちろんスキャン代行業が法的に見てグレーなのはわかっているが、そこを制御したからといって、「ふぅ、これで印刷出版の未来は守られたぜ」ということにはならないわけである。もちろん出版社の方々もそんなこと皆目承知であるとは思うが、問題はそういった所謂「業界」の方々からそれ以上の「未来」を感じさせてくれるような提案が全く出てこないということだろう。紙には紙の、電子には電子の流通方法があると思うが電子書籍への対応=紙媒体の消滅と捉えている人は間違いなく多いだろう。アイデアがどれも後ろ向きなような気がしてならない。読者からしてみればコンテンツにリーチできる手段が増えたのだから、逆に読むことへの渇望は高まっている。そもそも自炊するためには書籍そのものを買わなければならないからだ。
解決策は?代替案は?
その意味ではもとまかさんが言っていたような、「購入者にIDが与えられ、電子書籍を読む権利を与えられる」というのは非常にポジティブな考え方だ。これは入り口が紙でその先に電子があるようなタイプだが、反対のアプローチも考えられる。つまり入り口で電子書籍を広く読んでもらい、その上で気に入ったものは紙として買ってもらう、というものだ。これは同時に所有欲も満たしてくれるものなので必ずニーズとしてはある部分である。実際にビューンなどで実現しているところだが、この問題点はコンテンツが全く同一であるとうことだろう。本来プラットフォームが異なれば見せ方も楽しみ方も変わってくると思うが、単なるコピーでは魅力が半減する。電子書籍=本のスキャンデータという捉え方をしているということがこの点において如実に現れている。
諸悪の根源は?
どこでも批判されていることだが、プラットフォームとフォーマットの乱立、これが一番問題である。もとまかさんが言っているように、ユーザーが電子書籍に求めるメリットは
・安価
・お手軽
・半永久的
という部分である。歩調が揃っていなければ価格硬直的になり、端末間での持ち出しができなかったり、サービスの変更や終了によって買ったものが紙の本のように読めないという自体に陥る。そういうわけでユーザーは最もユニバーサルなフォーマット「Jpeg」を選ぶのである。そしてこれが結局は海賊版を生み出す原因となっているのである。こう考えると生き残る為には呉越同舟しかないように思える。各出版社がそれぞれの販路やコンテンツを確保しようと躍起になるあまりプラットフォームがいくつもできてしまい、不便に思うユーザーが結局自炊してしまう→その中で自炊代行へのニーズが高まる→その結果海賊版が生まれやすい環境になってしまうというなんとも皮肉な状況である。しかももっと言ってしまえば国内であーだこーだやってるうちにも中国やヨーロッパの各国では平気で海賊版が出回っている。治外法権な無法地帯に対してまで包括的に制御するためには日本国内の自炊代行業者を槍玉にあげていては何も解決にはならないのだ。
とどのつまり
結局は
フォーマットを統一する
ここから取り組むことが全ての始まりである。が、あくまでスタートに過ぎない。